芦田川 きれい☆きれいプロジェクト『河川浄化チャレンジ月間』の結果報告をアップしました。
芦田川環境マネジメントセンター、国土交通省 福山河川国道事務所及び福山市は、芦田川の水質浄化に取り組む『河川浄化チャレンジ月間』を、2020年11月1日~11月30日の1ヵ月間実施しました。
『河川浄化チャレンジ月間』は平成19年度からスタートしており、通算で14回目となります。今年度は、駅家学区・津之郷小学校・御野小学校・中条小学校・赤坂小学校・竹尋小学校・常金丸小学校・宜山小学校・駅家北小学校・網引小学校・瀬戸小学校・駅家小学校・御幸小学校・幸千中学校・済美中学校・培遠中学校及び流域の市民団体の皆様にアンケートにご協力をいただくとともに、瀬戸川・高屋川流域を中心に、芦田川流域全体に“家庭で出来る水質浄化の取り組み”の実践を呼びかけました。
参加者からは、意識の変化や今後の取り組みへの決意など、年間を通じた取り組みとして流域全体へ展開していくことが期待できる積極的な意見を多数いただきました。
今後は、このような芦田川の水質浄化に向けた草の根運動が契機となって、各家庭に水質浄化の取り組みが定着するとともに、芦田川流域全体に広まり、芦田川の水質が改善していくことを期待します。
1.取り組み内容
1)取り組み状況
流域の町内会や、学校、地元団体、企業などに広く取り組みの実践を呼びかけた結果、全体で991世帯に参加いただけました。
水質調査では、生活排水等の汚れの量が削減されており、多くの方々に取り組んでいただいた結果であると考えます。
なお、下図に示す学区・小学校には、チラシやアンケートの配布・回収にご協力をいただきました。参考として、以下にアンケート回収数を示します。
瀬戸川流域 | : | 296世帯(瀬戸学区、津之郷小学校、赤坂小学校など) |
高屋川流域 |
: | 518世帯(駅家小学校、御野小学校など) |
芦田川本川流域等 | : | 177世帯 |
計 | 991世帯 |
2)取り組み項目
各家庭で5つの取り組みを実施していただきました。
- 排水口にネットをかけて、調理くずや食べ残しを流さない
- 汚れのひどい鍋、食器類は、ふき取ってから洗う
- 食用油は直接流さず、紙にしみ込ませたり、固めたりしてごみとして出す
- 食器類を洗う時に、洗剤の使用量を減らす
- 洗濯の時に、洗剤の適量使用を心がける
2.調査結果
1)調査結果
調査前後の水質の負荷量で見ると、実施前に比べ実施中は、BODに関しては7%、SSに関しては9%、T-Pに関しては21%、水質の改善が確認されました。
調査期間中の瀬戸川の水質はばらつきがありましたが、全調査地点のBOD平均値は実施前で約2.6㎎/Lであり、瀬戸川下流域の環境基準(3㎎/L)※と同程度での調査となりました。
活動を始めた頃の結果と比較すると、水質が非常に良好になってきており、事前調査と実施中調査の水質を比べても変化が見られなくなってきています。これも流域の皆様の家庭での取組みの成果と考えられます。今後も継続させることで、水質を維持・改善させていくことが大切です。
水質調査実施状況(左:事前、右:実施中)
※本調査はあくまで改善傾向を把握するものであり、事前・事中ともに各1回のみの調査となるため、水質の減少率は正確な削減率というわけではありません。
2)参加者からの意見(一部抜粋)
取り組み実施後のアンケートでは、意識の変化や今後の取り組みへの決意など、年間を通じた取り組みとして流域全体へ展開していくことが期待できる積極的な意見を多数いただきました。
- 自分の家では河川浄化に取りくんでいますが、家の近くの河川を見ると、いろんなゴミが捨ててあり大変残念に思う。
- 食器や洗たく物の汚れが強いとついつい洗剤の使用量を増やしてしまっていた。気をつけるきっかけになり、よかったです。子供の時から関心を持つことで、大人になって続けていってほしいです。
- 排水口にネットをかけるのは、2年前のチャレンジ月間からはじめましたが、おかげで排水口の掃除もかなり楽になりました。これからも続けていこうと思います。より多くの家庭で行ってもらえるといいなと思います。
- 芦田川に水を流している全世帯がこのような取り組みをするときれいになると思う。この取り組みは多くの人が芦田川をきれいにしようと思うきっかけになると思うので、自分も今後続けていきたい。
- 子供と一緒に川や水について考える機会を与えてもらいました。残さずきれいに食べることは子供にも出来る河川浄化の取り組みだからと話し合い、努力してくれたと思います。