芦田川 きれい☆きれいプロジェクト『河川浄化チャレンジ月間』の結果報告をアップしました。
芦田川環境マネジメントセンター、国土交通省 福山河川国道事務所及び福山市は、芦田川の水質浄化に取り組む『河川浄化チャレンジ月間』を、平成23年11月1日~11月30日の1ヵ月間実施しました。
『河川浄化チャレンジ月間』は平成19年度からスタートしており、通算で5回目となります。今年度は、新たな試みとして、参加者が取り組み状況やその効果を携帯電話・パソコンで確認できるホームページを作成し、瀬戸川・高屋川流域を中心に、芦田川流域全体に“家庭で出来る水質浄化の取り組み”の実践を呼びかけました。
取り組みの実施前と実施中の水質調査結果では、取り組みによる水質改善効果を確認することができ、参加者からは、意識の変化や今後の取り組みへの決意など、年間を通じた取り組みとして流域全体へ展開していくことが期待できる積極的な意見を多数いただきました。この結果については、瀬戸川・高屋川流域、さらには芦田川流域全体に広くPRしていきたいと考えております。
今後は、このような芦田川の水質浄化に向けた草の根運動が契機となって、各家庭に水質浄化の取り組みが定着するとともに、芦田川流域全体に広まり、芦田川の水質が改善していくことを期待します。
※本事業は、財団法人義倉「義倉事業助成」の助成を受けて実施しました。
1.取り組み内容
1)取り組み状況
本年度は、従来のモデル地区を設定する実施手法(モデル地区内の方を対象とし、取り組み項目の実施およびアンケートにご協力いただく方法)から、一般の方へ広く取り組みの実践を呼びかけ、芦田川流域全体で取り組みを実施していただく手法としたため、正確な参加世帯数を把握することができませんでした。
しかし、水質調査では、取り組みによる水質の改善効果を確認しており、多くの方に取り組んでいただいた結果であると考えます。
なお、下図に示す各学区には、チラシやアンケートの配布にご協力をいただき、瀬戸学区および津之郷小学校(1学年)の皆様には、アンケートの回収にご協力をいただきました。参考として、以下にアンケート回収数を示します。
瀬戸川流域(瀬戸学区、津之郷学区、赤坂学区など) | : | 1,031世帯 |
高屋川流域(竹尋学区など) | : | 13世帯 |
芦田川本川流域等 | : | 34世帯 |
計 | 1,078世帯 |
2)取り組み項目
各家庭で5つの取り組みを実施していただきました。
- 排水口にネットをかけて、調理くずや食べ残しを流さない
- 汚れのひどい鍋、食器類は、ふき取ってから洗う
- 食用油は直接流さず、紙にしみ込ませたり、固めたりして捨てる
- 食器類を洗う時に、洗剤の使用量を減らす
- 洗濯の時に、洗剤の適量使用を心がける
2.実施結果
1)水質調査結果
実施前と実施中に行った水質調査結果では、瀬戸川および高屋川の水中のにごりの量(SS)と水中のリンの量(T-P)において、実施中は実施前と比較して約3割減少しており(図-1)、取り組みによる水質の改善効果を確認することができました。
なお、水中の汚れの量(BOD)については、近年のBOD値が4.0mg/L程度であるのに対して、取り組み期間(10月、11月)のBOD値が1.0~2.0mg/Lと小さく、実施期間中の河川水質自体がきれいな状態であったため、取り組みによる効果が現れにくくなっていたものと考えられます。
これらの結果については、流域住民の皆さまに積極的に取り組んでいただいた結果であると考えております。
2)参加者からの意見
取り組み実施後のアンケートでは、意識の変化や今後の取り組みへの決意など、年間を通じた取り組みとして流域全体へ展開していくことが期待できる積極的な意見を多数いただきました。
- 家族で話し合う良い機会になりました。汚れのひどい鍋や食器はふき取ってから洗う“ひと手間”で洗剤量も水の量もすごく違うので、チャレンジ月間が終了してからも意識しようと思います。
- 参加してから、気を付けようという気持ちが、今までより強くなりました。少し気を付けるだけでも、排水溝の汚れも減り、掃除も楽になるので、これからも続けたいです。
- 河川浄化を意識しての行動はとてもよい経験でした。これからも続けて実行していこうと思います。
- とても大切なことだと思います。みんなで協力して川がきれいになるようにがんばっていきたいです。
- 本当に意識しないと続かないし、続けないと意味がないと思います。これを機に多くの人の関心が高まり、引き続き取り組みがされて行くことを願っています。
- 皆で浄化運動に取り組めば、再びきれいな水を取り戻すことが出来るでしょう。チャレンジを続けましょう。
- 皆で協力して一日も早く「ワースト1」から卒業したい。